経済

第57回 国民を救うために政府は積極財政に転換せよ

コロナ禍での政府への提言 積極財政に転換せよ

先日(2021年8月22日)行われた横浜市長選で菅首相が推す候補が敗れ、マスコミはコロナ対策の失敗の政府に対し、「NO」を突きつけた結果だと報じました。

この「NO」の意味は2つあって、感染対策と経済対策だと思います。

今問題になっている感染症は、言うまでもなく、人から人に移るものです。
ですから、人流を抑え、人との接触を避けることが、感染の拡大防止に繋がります。

政府は、これで5回目になる緊急事態宣言を出し、国民に人流を5割削減することを求めました。その一環として、経団連にはテレワークを7割にするよう要望しました。

緊急事態宣言も5回目になると、今までしっかり感染対策を行ってきた大部分の真面目な国民は、今更何をすれば良いのかと戸惑うばかりでしょう。

コロナの蔓延による痛手

コロナの蔓延によって痛手を一番被ったのは言うまでもなく、飲食業、宿泊業、娯楽業、生活関連サービス業の方々です。これらの外出4業種では非正規雇用の女性が多く、不況の時の安全弁として容易に解雇され、昨年秋頃から経済的な理由で自殺された方が急増しました。

コロナの感染で亡くなる方が報じられますが、その一方で経済的な理由で亡くなる方がいることを忘れてはなりません。

解雇された方々は、その雇用主に責任を求めることはできません。

雇用主も必死になんとか乗り切ろうとしたはずです。しかし、政府の度重なる緊急事態宣言により、収入は激減し立ち行かなくなりました。

政府も持続化給付金、雇用調整助成金制度や無利子融資制度を作り、困窮した業種の方々を下支えしようとしましたが、あまりにも金額が少な過ぎて話になりません。また、申請の煩雑さや支払いまでの長い時間により、遂には廃業された方々もたくさんおられます。

なぜこんなことになったのか?そして、今でもそれは続いています。

コロナ対策で政府は何をすべきか

コロナ対策で政府はいったい何をすべきでしょうか?

それは積極財政政策だと思います。

財政出動を充分行い、生活の下支えをしっかりすれば人流を確実に減らすことができ感染対策になり、また、困窮した国民を救済できるのです。

コロナ前の売り上げレベルまでの経済的補償があれば、政府がお願いしなくても自主的に休業しますし、お店が休業していれば人流は確実に減らせます。

お店の方も家賃や人件費などの固定費が保証されれば、非正規をはじめとした従業員の方々の解雇はありません。その結果、生活窮乏による自殺もなかったはずです。

昨年は70兆円ほどの真水と呼ばれる財政出動がありましたが、もともとデフレ基調だった日本国民を救済するにはあまりにも金額が少なかった。

政府が財政出動できない理由

では、なぜ日本政府はもっと多くの財政出動ができないのか?

それは以下の理由からです。

日本は財政赤字が積み上げられ対GDP比は240%で、諸外国に比べ最悪であり、いつ破綻してもおかしくないという、いわゆる緊縮財政派と呼ばれる人たちの主張があるからです。緊縮財政派の中心は財務省であり、この主張を歴代の政権は盲信し、日本経済を20年以上もデフレ状態として放置してきました。そこにコロナが追い討ちをかけました。

一方、アメリカやEUはしっかり財政出動をすることによりGDPを着実に伸ばし、中国ではその財政出動の桁外れた規模により1995年から2015年までに14倍もGDPを伸ばしました。

33国のOECD加盟国の中でも成長していないのは日本だけであり成長率と財政支出の規模は見事に相関しております。

日本では、このコロナの災禍にあっても過少な財政支出の規模にとどまりました。アメリカやヨーロッパの国々では粗利保証したり、何回も給付金を出したり、失業手当も充実させ、日本の消費税に当たる付加価値税も下げました。アメリカもヨーロッパもそれぞれの政府の積極的な財政出動により経済はV字回復しており、アメリカでの消費者物価指数は5〜6%とのことです。

財政破綻論は正しいのか

ところで、財務省を中心とした緊縮財政派が唱える財政破綻論は正しいのでしょうか?

2003年、日本の財政赤字が対GDP比140%に達し、政府の経済政策に強い影響を与える経済学者たちが早急なる財政健全化の提言を行いました。このまま財政赤字が進み対GDP比200%を超えると日本が破綻するというのです。財政破綻のことをデフォルトとも言いますが、日本はその後も財政赤字が膨らみ2018年には対GDP比240%になりました。

でも、いまだに破綻しておりません。昨年は更に70兆円の赤字国債が積み上げられたにも関わらずです。

では、財政破綻とはなんでしょう?

京都大学の青木泰樹先生によれば、国家の信認が亡くなることをデフォルトと言うそうです。国家の信認とは国家の信用+通貨への信頼とのことです。

国家の信用は長期金利に反映されます。信用のある国の国債の長期金利は当然低くなります。以下をご覧になってお分かりの通り日本政府の債務残高は増加しておりますが国債の長期金利はどんどん下がっており、金利は0%です。

通貨への信頼はどうでしょう。通貨への信頼はインフレ率に反映されます。すなわち、通貨の信頼が亡くなると貨幣価値は下落することになります。インフレになり日本円は紙切れ同然になるということです。日本は長期デフレであり、円/ドル為替レートも1ドル110円程度で推移しております。信頼されなくなれば1ドル当たりの交換レートが何十万、何百万あるいはそれ以上になるはずです。

従って、日本政府の債務残高が対GDP比、240%になろうが300%になろうがデフレ下ではもちろん、適度なインフレ下では全く問題ないのです。

赤字国債とは

収入に対し支出が上回ることを赤字と言います。個人にとっても企業にとっても赤字はあまり良い事でないように捉えられます。しかし、時には銀行などからお金を借り、何かを買ったり、投資をしたりしますが、銀行は借手の与信を行い返済能力があると認めればお金を貸します

ここで、銀行からお金を借りるということはどういうことなのかを考えてみましょう。

私が、仮に車を買いたくて、H銀行に申し込みに行ったとします。

車を買いたいので200万の融資を申し込みます。

銀行員は私を与信にかけ提示した条件で返済できそうであれば融資を認めます。その後、銀行員はどうすると思いますか?

銀行員は私の持っているH銀行の通帳に2000000と記帳します。ただそれだけです。

銀行の融資の場合、極端な言い方をすれば、銀行の手元にお金がなくても通帳に記帳するだけでお金を貸し出すことができます。すなわち、元手になるお金を個人や企業からあらかじめ集めておく必要はないのです。これを信用創造と言います。信じられないかもしれませんが、これが真実です。

借りたいという需要があって初めて預金が生まれるということです。その預金は返済によってなくなります。

17世紀に、この銀行制度ができたことが産業革命の原動力になったと言われております。

これと同じことを実は日本政府もやっております。以下の図をみてください。

日本政府が仮にデフレ対策として公共事業をやることにします。

政府と銀行は日本銀行に当座預金を持っており、銀行の当座預金は日銀が提供することが前提になります。

政府が公共事業をやるために国債を発行します。

銀行が国債を買い入れると銀行保有の日銀当座預金は、政府の日銀当座預金に振り返られます。

政府は公共事業の発注にあたり、企業に政府小切手で支払います。

企業は取引銀行に小切手を持ち込み、代金の取り立てを依頼します。

銀行は小切手相当額を企業の口座に記帳します。この時預金が創造されます。すなわち、民間にお金が渡るということです(あるいは民間の貯蓄が増えるということです)。同時に、日銀に代金の取り立てを依頼します。

政府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座預金勘定に振り返られます。

このサイクルを繰り返しても銀行の当座預金残高は変わらず、金利は変動しません。
何よりも注目していただきたいのは、政府の赤字国債の発行で、同額の民間所得が増えるのであり、今まで財務省が流布してきた国債発行により民間貯蓄が減るという話は全く嘘だとわかります。政府が国債を発行し公共事業のためのお金を生み出すのは、先に説明した銀行による信用創造によるものです。

政府が信用創造できる理由

では、なぜ政府は信用創造ができるのでしょうか?

日本やアメリカ、イギリスなど自国通貨建の国債で財政を賄っている国は決して破綻しません。

すなわち、通貨を供給している政府が、日本であれば円ですが、円で借金したところで、円が返せないことはないということです。

政府は貨幣の供給者であり、個人や企業はその使用者であるところに大きな違いがあります。

国債には確かに償還期限はありますが、償還期限が来れば新な国債に借り換えれば良いのであり、国家が続く限りこれを繰り返せば良いのです。日銀は政府の国債を引き受けなければならないことが財政法第5条(日銀乗り換え)に書かれており、この借換えの際の国債を政府による無利子永久国債に変えれば金利の心配は無くなります。

今は日銀の金融緩和により国債の50%ほどを日銀が買い入れています。

日銀が買い入れることで金利が下がるという面もあります。

日本政府と日銀は親会社、子会社の関係(実際、日銀はJASDAQに上場しており、その55%の株を政府が保有)にあり、統合すると政府の負債たる国債は日銀が買うことによって消滅します。この統合政府の資産は国有資産と徴税権になり、負債は現金と機関投資家や個人が持つ国債ということになります。

結局、統合政府の負うべき負債は機関投資家や個人が持つ国債だけということになります(日銀の保有する現金は負債ということになりますが実際は負債ではない)が、日銀が新規国債発行額以上の国債を買い続ければそれが減少してゆく事になります。

国債の償還期限が来れば金利が発生しますがこのデフレ下の超低金利を見れば政府負担は問題になりません。日銀が得た国債金利は諸経費を引いた後、税収外収入として親会社の政府に戻ります。

債務残高は政府が今までに国民に渡した貨幣の履歴に過ぎない

財やサービスを購入するために、赤字国債を政府が発行すると民間所得が増えるわけですから、累積された国債残高は、政府が今までに国民に渡したお金の履歴に過ぎないということになります。赤字国債の「赤字」との表現は、個人の家計と企業の収支レベルで捉えるとネガテイブなイメージですが、貨幣の流れがわかると不適切なことがわかります。政府は国民のために社会資本を整備したり、今回のコロナ対策として給付金を配るために国債を発行しお金を生み出すことができるのです。

2015年の時点で、債務残高は名目金額で明治初期(1872年)の3740万倍になり、実質でも546倍になりました。

また、1970年から2020年までに債務残高は名目金額で166倍になっており、対GDP比240%になりましたが、国債金利は0%と低いままであることは、先に述べた通りです。

バブルが崩壊し、1997年以降、日本はデフレに突入しましたが、政府の2018年までの財政支出が不充分とは言え、この間、国民の所得は208兆円増えております。すなわち、政府の支出が国民に所得をもたらしたということです。

実は、日本政府は国債を発行しなくても、財務省証券を発行することで支出することができます(Overt Monetary Finacing)。先の図6で政府の発行した財務省証券を日銀が受け入れ、政府の日銀当座預金に同額の金額を記帳する信用創造を行うのです。以下は同じプロセスを踏みます。

毎年の確定申告は予算執行の翌年の2月に行われます。ということは、政府の支出が先にあり(First Spending)徴税が後ということになります。この政府の支出を財務省証券を使って行うのです。

国債を発行しなくても政府支出ができるのであれば、なぜ国債を発行するのでしょう。それは、銀行の当座預金残高を銀行と日銀間の国債の売買によって調整し、ひいては、金利を調整するためにあるのです。

また、政府は財やサービスを買うために自ら貨幣をつくり支出できるのですから、税収は財政のためにあるのではないことがわかります。

従って、公務員の給料は税で賄われているわけではありません。税金で食っているわけではないのです。

租税の意義については後ほど取り挙げます。

PBの黒字化は必要か

緊縮財政派はPB(プライマリーバランス)の黒字化を声高に叫びます。そうしないと日本は破綻すると。

政府が赤字であることが、さも不健全なことだと。

でも、考えてみてください。政府が先に支出し、国民に税を課します。しかし、国民には預貯金などの資産が残ります。

ということは、政府と国民の間の貸借バランスは、必ず政府が赤字でなければ成り立ちません。政府と国民の収支を足すと必ず0になるからです(話を簡略化するため海外収支部門は考えず)。

PB(プライマリーバランス)の黒字化ということは、政府が国民から資産を奪い取ることになるのです。

デフレ下の日本で消費税を2回も上げ、緊縮財政を行ってきた安倍政権は国民から多くの資産を吸い上げたことになります。

1975年以降、1回だけPB(プライマリーバランス)の黒字化を達成したことがありました(1975年までの高度成長期は企業の投資意欲が旺盛で、民間収支の赤字により政府の収支は黒字でした)。

以下の図を見てください。

80年代の後半に、日本の赤字は減少し、90年には黒字に転じました。同じ時期、民間部門の収支は政府部門とは対照的に、90年に赤字に転じています。この時期はバブル景気で民間部門に債務が積み上がったことを示しています。すなわち、政府部門の黒字は民間部門の債務の増加の裏返しだったということです。

PB(プライマリーバランス)の黒字化までとはいきませんが、2000年台前半に、政府部門の収支のバランスが改善しています。当時、アメリカが住宅バブルによる好景気で需要が拡大し、日本の輸出が増大したことによるアメリカの貿易収支の赤字によるものです。すなわち、政府部門の収支のバランスが改善したのは、海外の国が、この場合はアメリカですが、そのアメリカの貿易収支が悪化したことによってなされました。

国内民間部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0という恒等式が成り立つわけですから、政府の収支部門が黒字化するということは、民間部門の収支の赤字あるいは/かつ海外部門の収支の赤字を意味します。海外部門の収支の赤字は自国の利益を優先し、他国の市場と雇用を奪うことになり恨みを買うことになります。

租税は財源ではない

多くの国民が誤解しているのは、租税が財源だと思っていることです。

確かに家計の場合、収入に基づいて支出を考えます。しかし、国家の場合、政府支出が先に来て、その後に国民は税を払います。

では、税は何のためにあるのでしょうか?

一つは景気の調整に使います。景気が加熱すれば増税、悪くなれが減税といった具合です。累進性のある所得税は貧富間の格差を縮小させ、低所得層の購買欲を高め、デフレ対策になります。

二つ目は政策的な目的で税を課します。例えば、二酸化炭素を減らすための炭素税などです。

ということは、消費税の増税は消費を落とすために行ったものと思われます。見事に、予想以上に消費を落とすことに成功しました。

東日本大震災の時に、民主党政権は復興税を国民に課しましたが、震災によるデフレ基調をさらに強めることになりました。その前のリーマンショクでもデフレ基調は強まりましたが、実は2度の消費増税の方がデフレへのインパクトが強く回復まで多くの時間を要しました。

租税の大事な意味 通貨の価値の担保

今まで私たちが使っているお金が、お金としての価値をどうして持つのか、説明ができませんでした。近年、脚光を浴びているMMT(現代貨幣理論)の洞察によれば、国家が法定通貨を決めて、それによって納税の義務を果たせるようにすれば、その通貨が価値を持つというのです。価値を持った通貨は、納税以外に、取引や貯蓄に使用されるようになります。

国債を多く出すとインフレになる

国債を多く出すとインフレになると言われます。もちろん、その通りです。国債を多く出すと国民所得が増え、貨幣量がふえる訳ですから、インフレになります。

しかし、本来の経済は2〜4%ぐらいのインフレ率が理想であり、これによって、経済は成長します。インフレというのは需要が供給を上回った状態ですから、生産性を上げて供給を増やして需要に追いつこうとします。これが経済成長です。

適度なインフレは経済に好循環をもたらします。国民所得が増え、需要が高まり、企業は生産性を高めるために設備投資をし、企業が利益を増やせば賃金が増え国民生活が豊かになります。

結果、政府の税収は増え、少子化問題や年金問題は容易に解決されます。

税率を増やしても景気が良くなければ税収は増えません。

財政支出はどこまで

財政支出はインフレ率を​​2〜4%を目安に調整すれば良いのです。

ハイパーインフレの懸念は

デフレ下で増税ができた日本がハイパーインフレになるはずがありません。

所得税や法人税(ただし、法人税に関しては否定的な部分も多い)などの累進課税は「自動安定化装置」と呼ばれ、景気の好不況の変動をならす効果があります。すなわち、インフレ傾向になれば、増税方向に向かいます。

しかし、消費税は、むしろ逆累進性があり、低所得者層にとっては、このデフレ下で、特に厳しいものになります。

自動安定化装置でうまくいかなければ、金利を上げて、財政支出を減らせば良いのです。

日銀の金融緩和はなぜ景気を浮揚できなかったのか

日銀の金融緩和政策とは、日銀が2年以内に2%のインフレ達成目標を宣言し、日銀の銀行からの国債の買い入れにより銀行の当座預金残高を増やすことで市場の需要を喚起することです。というか、喚起できると思っていたようです。しかし、2年経っても、そして8年経った今日でも、目標は達成できておりません。デフレでは物よりもかねの価値が高まり、個人も企業もかねを貯め込もうとします。それは貯蓄であり内部留保です。個人にすれば給料が上がらず、むしろ下がる傾向があれば将来のために消費を控え、企業にすれば需要がないこの状況であえて設備投資をして生産性を上げることはしないでしょう。物を生産しても売れないのですから。こんな状況でいくら銀行がお金を貸すといっても借りる人はいません。

信用創造のところでも説明しましたが、需要があって、借りたいひとがあって、はじめて預金が生まれ、銀行の日銀当座預金が増えます。ところが、銀行の日銀当座預金が増えても銀行の預金は生まれません。需要がなければです(銀行は預金者の急な引き出し等に備え、銀行の預金を日銀当座預金に一定割合預けておく必要があります)。

日銀の金融緩和政策を主張したリフレ派と言われる経済学者たちの思惑は無惨にも打ち砕かれました。

たいていのひとは失敗をすれば、その原因を究明し、軌道修正すると思われますが、主流派(リフレ派)と言われる経済学者のひとたちは、凝り固まった宗教団体のように、ひたすら自分たちの誤った信条を変えようとしません。

その結果、不幸になるのは日本国民なのです。

 

(提示した資料は中野剛志先生の著書「奇跡の経済教室-基礎知識編」からお借りしました。)

令和3年9月5日讀賣新聞から

ホテル・旅館 廃業に拍車

コロナ感染症の蔓延長期化が、宿泊業に深刻な影響を及ぼし、ホテルや旅館の休廃業が昨年を上回るペースで推移していると言います。旅行控えやオリンピックでの観戦無観客が拍車をかけました。

昨年の感染拡大以降、宿泊経営者は、従業員に休業手当を支払い、雇用を維持してきましたが、コロナの収束の見込みが立たず、需要回復が見込めず、固定費の削減を図るために非正規雇用要員を解雇せざるを得ないのです。首都圏のプリンスホテルでは、9月末までに、非正社員883人を解雇するとのことで、また、阪急阪神ホテルズは、3月末にパート従業員219人を解雇しました。

帝国データバンクによると、今年1〜6月の休廃業はホテル・旅館で104件と前年同期比55.2%の増加になりました。

厚労省によると、コロナの影響で解雇や雇い止めをされた労働者は、8月27日時点で11万3932人に上り、このうち宿泊業は1万3219人になりました。

このままの状況が続けば、雇用への影響は更に深刻になります。

雇用保険料引き上げ議論の愚

このコロナ禍で「雇用調整助成金」の支給額が4兆円を超え、雇用保険制度を圧迫しているため、雇用保険料の引き上げを検討していると言います。雇用安定事業の積立金が底をつき、本来は雇用調整助成金に当てない失業事業積立金から1.7兆円を工面し、一般会計から1.1兆円を賄ったといいます。

であれば、雇用保険料の負担を増やすのではなく、一般会計負担を増やせば良いだけです。この経済的窮乏下にある国民に更に負担を強いるのはどう考えてもおかしいと思います。

自民党総裁戦への期待

総理になる方は、日本のこの窮状をしっかり捉え、財政支出による財政破綻などあり得ないことを認識すれば、たくさんの日本人を救うことがでできるのです!

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA