経済

第78回 父の時代に比べ債務残高10倍以上 国を憂う現財務大臣

国を憂う現財務大臣

1980~82年に首相を務めた故鈴木善幸氏を父に持つ鈴木俊一財務相は、新春の挨拶で財務省職員に、

国の借金である国債の残高が父の時代と比べて「実に10倍以上の増加になった」 と述べました。現在の厳しい財政状況は「国の将来の繁栄の最大のリスク要因」だとして、財政の立て直しが「必要不可欠」
と訴えました。

1982年の私の父の内閣の頃のGDPに比べ、2022年には、1.9倍に増えましたが国債残高は96兆円から1026兆円と実に10倍以上増加したと指摘しました。

債務残高が増えることが問題なのか

債務残高が増えることが問題なのでしょうか。

日本の現状

鈴木財務相には、島倉 原氏が作られた以下の図をご覧になっていただきたい。

2015年の時点で、債務残高は名目金額で明治初期(1872年)の3740万倍になり、実質でも546倍になりました。

また、1970年から2020年までに債務残高は名目金額で166倍になリました。

10倍どころの話ではありません。

しかし、未だに日本では国債金利の上昇やハイパーインフレは起こっておりません(債務残高の増加とともに国債の長期金利はどんどん下がり、現在は0%です)。

鈴木財務相に債務残高の増加が「国の将来の繁栄の最大のリスク要因」である根拠を是非お尋ねしたい。

 

 

先進各国の現状

先進各国を見てみましょう。

先進各国では、債務残高/GDP比は日本ほど高くはありませんが、ドイツ以外は少しずつ増加傾向にあります(但し、直近ではコロナ対策のためドイツも含め各国とも急増)。

債務残高/GDP比で見た場合、たとえ債務残高が増えても、GDPがそれ相応に増えれば、その比率はさほど高くはなりません。

債務残高/GDP比が1以上である日本は、毎年債務残高とGDPが同額増えれば債務残高/GDP比は毎年確実に減少していきます。

また、積極的な財政支出により民間の消費や投資が増えれば、財政支出以上にGDPは増え、これによって税収が増えますから、債務残高は減り、益々債務残高/GDP比は減少していきます。

 

先進各国の経済成長率

日本以外の先進国は確実に経済成長しているのに対し、日本では1997年以降、ほとんど成長しておりません。

バブルが弾け経済成長が低下してきている最中に橋下政権は経済を下支えするどころか、消費税を増税し、構造改革を断行しました。

以後の政権も緊縮財政路線を続け、更に2回の消費税増税という愚策を行いました。

日本は、成長せずGDPが変わらないのですから、日本の債務残高/GDP比が他の先進国に比べて高いのは当然です。

OECD33カ国の経済成長率

OECD33カ国の中で唯一日本だけが経済成長しておりません。

また、GDP成長率と財政支出の関係は非常に良く相関していることがわかります(相関係数0.93)。

すなわち、日本が経済成長するためには、政府の積極的な財政支出が必要だということです。

それによって、債務残高/GDP比は確実に低下していきます。

 

 

 

 

 

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