経済

第80回 ストローマンプロパガンダ

ストローマンとは

ストローマンとは、Wikipediaによれば、、

相手の意見の一部を誤解してみせたり、正しく引用することなく歪める、または一部のみを取り上げて誇大に解釈すれば、その意見に反論することは容易になる。この場合、第三者からみれば一見すると反論が妥当であるように思われるため、人々を説得する際に有効なテクニックとして用いられることがある。これは論法としては論点のすり替えにあたり、無意識でおこなっていれば論証上の誤り(非形式的誤謬)となるが、意図的におこなっていればそれは詭弁である。

プロパガンダとは

また、プロパガンダとは、Weblioによれば、

意図をもって、特定の主義や思想に誘導する宣伝戦略のこと。大きな括りでは国家においての思想統制や政治活動、小さな括りでは宣伝広告や広報活動もプロパガンダに含まれる。

以下の話は、三橋貴明氏の「新」経世済民新聞 三橋貴明公式チャンネル(youtube)で紹介されておりました。

2021年12月21日、岸田総理の会見

2021年12月21日、岸田総理の会見時に、

Wall Street Journalのランダル氏が、経産省の課長の中野さんという方が、「自国通貨を創造できる国家には、歳出の予算制約はない。高インフレでない限り、財政赤字自体に何も問題ない」と言っていますが、総理はこの中野さんの論理は正しいと思いますか?と質問したそうです。

実は、通産省の中野さんというのは、評論家としてMMTを主張する中野剛志氏のようです。

これに対し、岸田総理は、「財政については、いろいろな考え方があり、議論があると承知しています。私自身の考え方としては、これは従来から申し上げている通り、財政は国の信頼の礎であり、中長期的に財政健全化に取り組む必要があると考えています。そして、色んな議論がある中で、自国通貨立て国債を発行する国はいくらでも国債を発行して支出することができる。こう言った意見の方もおられると承知してはおりますが、ただ、政府としては採っておりません。先ほども申し上げましたが、順番を間違えてはならない、コロナ禍を乗り越えて、経済を再生し、財政健全化を考えていく。こういった道筋を大事にしながら、財政健全化についても考えていきたいと思っております。」と答えたとのこと。

ストローマンプロパガンダ

これは、岸田総理が自ら行った、ストローマンプロパガンダと言えるものです。

ランダル氏は、高インフレでない限りと述べているのに対し、岸田首相は、いくらでも国債を発行して支出することができる

と述べています。

まさに、岸田首相は、

相手の意見の一部を誤解してみせたり、正しく引用することなく歪める、または一部のみを取り上げて誇大に解釈
というストローマンをやって退けたということです。

三橋氏は、岸田総理がストローマンを行った3つの可能性を上げております。

1.そもそも「高インフレにならない限り、政府は自国通貨建の国債を発行し、支出して構わない」の意味が理解できない。

2.「高インフレにならない限り、政府は自国通貨建の国債を発行し、支出して構わない」と認めると、財務省の財政破綻プロパガンダが土台ごとひっくり返るため、できない。

3.インフレ率が低迷していても、つまりどんなにデフレ状態であっても、自国通貨建国債を発行し、支出してはならないと、考えている。

三橋氏は、1.はさすがに岸田総理も理解しているだろうから可能性はない。

3.は、政府がデフレ脱却を目指すことを掲げたことや、あるいは、日銀の2%インフレ目標達成とは不整合であり、この可能性もない。

結局、2.が理由で、岸田総理はストローマンプロパガンダを行ったのだろうと結論づけております。

 

MMTに対するストローマンプロパガンダに騙されないよう、今一度MMTにおける財政の考え方についてまとめます。

MMTにおける財政の考え方

自国通貨を持つ政府は、財政的な予算制約に直面することはない。

主権を有する政府が、自らの通貨について支払い不能になることはあり得ない。

全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある

通貨を発行する政府は、債務不履行にはならないが、財政赤字はインフレを招くおそれがある。従って、財政の限界は、対GTP比債務残高ではなく、インフレ率で判断すべきである。

政府の赤字は、その他の経済主体の黒字である

プライマリーバランスの黒字化とは、経済主体を政府と民間で考えた時、民間の金融所得を赤字化することである。

 

 

 

 

 

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