経済

第87回 財政政策検討本部の提言-財政健全化推進本部に歩み寄り?

以下は、自民党参議院議員の西田昌司氏が運営するyoutube「西田昌司ビデオレター」にあげられたものです。

財政政策検討本部

財政政策検討本部とは自民党議員の中で、積極財政を主張する議員が立ち上げたもので、その都度テーマを決めて、積極財政と緊縮財政(財務相推薦)を唱える論客を招き、これまで13回議論が行われてきました。その本部長が参議院議員の西田昌司氏で、まとめられた提言は政調会長である高市早苗氏にあげられます。

検討会議で確認された事実

検討会議で確認された事実を以下にまとめます。

これらは、主流派経済学者(緊縮財政派)の主張を否定するものになり、経済政策を転換する上で示すべき通貨の事実関係としています。

1.信用創造とは、財源なしにマネー(信用通貨)を生み出すことである。

2.資金の借り手がいてはじめてマネーストックは増える。

3.財政赤字(黒字)とは、政府の民間部門への資金注入(吸収)である。

4.国債発行の財源は、民間預金(マネーストック)ではない。

5.国債発行によりクラウデイングアウト(民間が借りる金利が上がる)は生じない。

6.国債は、借換えるのが主要国の常識である。

7.日銀保有国債は、政務債務とは言えない。

8.財政は破綻しない、将来世代負担もない。

5.と8.は安倍元総理の進言により提言から外されたそうです。

特に、8.については日銀の現在行っているイールド・カーブ コントロールによるもので、日銀総裁が変わって金融政策が変わると(金融の量的緩和策をやめてしまう)根拠がなくなるとのことですが、私はそうは思いません。

日本政府は自国通貨を発行し、国債は自国通貨建てなので、財政破綻しようがないということです。

財政政策検討本部の提言

5月17日に以下の通り提言が正式に発表されました。

 

財政問題は最終的には、GHQに作られた財政法4条に辿り着く

大東亜戦争後、日本を占領していたアメリカのGHQは、昭和22年、日本国憲法第9条により、日本の非武装化を図り、さらに同年、財政法第4条により日本の弱体化を図りました。

日本の経済の停滞は、まさに財政法第4条によるもので、金科玉条のように財務省は頑なに守っております。

財政法4条とは

第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。 但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

財政健全化推進本部に歩み寄り?

自民党の中には、緊縮財政派が作る岸田首相をトップとした財政健全化推進本部があり、今回の提言は、参議院選挙を前に自民党の分裂を避けるため、緊縮財政派を刺激しないよう配慮され、穏当な表現にしたそうです。

西田氏は、2025年度までにプライマリーバランス(PB)の黒字化を達成するといった、カレンダーベースのPB黒字化目標は国の責任の放棄だと言いながら、緊縮財政派との軋轢を避けるため、これも提言から外したそうです(今後十分に検証を行なっていくべきとトーンダウン)。

13回にもわたる財政政策検討会議では、貨幣や国債について精査し、信用創造の仕組みを明らかにしたにもかかわらず、緊縮財政を主張する役所(財務省)や学者には、まだこれらを理解していない人が多く、提言の根拠として使うことをやめたそうです。

貨幣や国債について精査し、信用創造の仕組みを明らかにし、それを根拠に、正しい経済政策の提言を行うはずの財政政策検討本部だったのではないですか?

西田議員どうしたのですか。

結局、日本国民が正しい経済政策のもと豊かになるよりも、議員としての立場、自民党としての立場を維持する方を優先したのでしょう。

実際、それぞれの最高顧問である安倍元総理(財政政策検討本部)と麻生元財務大臣(財政健全化推進本部)との折衝で玉虫色の決着がつきそうです。

PBの黒字化目標は維持するが、2025年にはこだわらないと。

期待はずれでしたね。

 

 

 

 

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