当院の糖質制限食事療法

以下に、当院の糖質制限食事療法の流れをご紹介いたします。

  1. 当院の糖質制限指導
  2. 糖質の多い物を認識する
  3. 嗜好品(食べ物、飲み物)をチェックする
  4. 1日の糖質摂取量をチェックする(スマホ、パソコン活用)
  5. 1日糖質摂取量を決めて実践する

1.当院の糖質制限指導(第51回ブログ)

当院・恵み野内科循環器クリニックの理念は、以下の通りです。

「これからの医療は薬に偏るのではなく医食同源と言う言葉があるように“食の見直し”を中心に据えるべきと考えております。それはまさに“糖質制限”でありそれによってつくられる“ケトン体質”であります。」

これを実践するために、

「当院では患者さんの嗜好やライフスタイルを十分尊重しつつも、改めるところはしっかり改めていただくよう納得してもらいながら治療を進めております。」

糖尿病をはじめとした、生活習慣病の患者さんの糖質制限指導

当院での糖質制限を中心とした食事指導にカロリー制限はありません。従って、カロリー計算もありません。

まず、最初に患者さんにやっていただくことは、夕食からご飯を抜くことです。「ご飯をやめておかずを増やしてください」と言います。

患者さんの中には、茶碗軽く一杯しか食べてないのにやめないといけないのかと抵抗される方もおられます。

私は、それに対して、たとえ茶碗軽く一杯でも、そこには角砂糖14個に相当する糖質が入っていることをお話しします。それを聞いたほとんどの患者さんは顔をしかめます。

角砂糖14個なんて、とても食べられませんよね。でも、ご飯って、味がないので、塩ぱいものに合うのですよ。漬物やたらこがあればいくらでもご飯は食べられますよね。そこで、患者さんは納得してくれます。

次に、患者さんがいらした時は、次のように話します。

夕食のご飯はやめてくださいと言いましたが、肉や魚、卵、チーズ、大豆といった良質なタンパク質や脂肪を十分摂り、さらには葉物野菜や海藻類、きのこ類からビタミン、ミネラル、食物繊維もしっかり摂ってくださいねと。

そして、3回目にいらした時に、患者さんが思う「おかず」について、明らかにしていきます。

患者さんにすれば、ご飯以外は全て「おかず」であり、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、カボチャなど穀類を使った料理や小麦やデンプンを基に作られた麺類や餃子やシュウマイ、マカロニ、天ぷらの衣、カレーやシチューのルー、中華料理のとろみ、ハンバーグやかまぼこ、ソーセージなどのつなぎ、そして砂糖やみりんの入った佃煮や煮ものなども全て「おかず」と認識しています。

実は、こういった食材は、ご飯と同じように、高糖質であり、夕食のメニューに入れてはいけないことをお話しします。

そして、再度、肉や魚、卵、チーズ、大豆といった良質なタンパク質や脂肪を十分摂り、さらには葉物野菜や海藻類、きのこ類からビタミン、ミネラル、食物繊維もしっかり摂ってくださいねと。

患者さんの多くは肉やバターは多く摂ってはいけない。卵、マヨネーズもダメ。でも、果物は体に良いから、多く摂るべきだ。野菜は摂らないといけないが、多くは摂れないので野菜ジュースで代用している。そのように考えております。

私は、これらに対して、全く真逆のことをお話しします。

肉は大いに食べてください。

マーガリンはダメですが、バターはOKです。

卵は良質なたんぱく質を含みますから、大いに摂ってください。コレステロールが高い方には、かつては控えるように言われておりましたが、アメリカでも日本でも2015年、制限が撤廃されております。

野菜サラダにはおおいにマヨネーズを使ってください。大さじ2杯でも糖質1gもありません。下手なドレッシングより上等です。

果物は確かに、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルなど、体に必要なものが多く含まれておりますが、その摂り過ぎは、糖質の過剰摂取であり、果糖の過剰摂取になります。果糖の過剰摂取は脂肪肝を招き、体内にAGEsを多く作り、臓器障害をもたらします。

野菜ジュースには、本来摂るべき食物繊維が抜け落ちていますし、甘味を付けるため果汁が入っており、一缶あたり15g程度の糖質が入っております。

夕食からご飯を抜くだけでは十分でなければ、あるいは、糖質制限食に対してさらに興味を持たれた方に、

以下の通り、糖質制限指導を進めていきます。

2.糖質の多い物を認識してもらう。

3.患者さんの嗜好品(食べ物、飲み物)をチェクする。

4.1日の糖質摂取量をチェックする。(スマホ、パソコン活用)

5.1日糖質摂取量を決めて実践する。

2.糖質の多い物を認識する(第52回ブログ)

患者さんに糖質制限指導をするにあたって、一番大事なことは、高糖質食材や高糖質食品を認識していただくことです。

私は糖尿病の患者さんに糖尿病学会が主導する低カロリー・高糖質食事指導に用いる食品交換表を用います。ただし、使わせてもらうのは表1と表2に載ってある高糖質食材や高糖質食品の写真です。患者さんにこの写真を見せることで、しっかり高糖質食材や高糖質食品をインプットしてもらいます。

では、食品交換表に沿って進めていきます。

表1から始めます。

私たちが主食としているものは、いずれも高糖質食品(高糖質食材)です。

すなわち、米、パン、麺類です。

以下、食品(材)別糖質量は、江部康二先生の著書「食品別糖質量ハンドブック」を参照させていただきました。

 

白米ご飯は一膳で55.2g、玄米ご飯は一膳で51.3g、握り寿司は一貫7.3gです。

長く糖尿病の食事療法で「玄米魚菜食」が勧められてきましたが、玄米ご飯は、白米ご飯に比べて、さほど糖質が少ないわけではありません。

握り寿司は一貫7.3gですが、シャリは白米に酢と砂糖が加えられていて、その分、糖質が多くなります。また、ネタによっても糖質は若干変わります。

卵焼きは9.8g、ウニは8.5g、カッパ巻は6巻で21.2gです。

回転寿司で10皿も平らげれば、一皿には二貫ずつ乗ってますから、合計20貫。ネタの分を加えて一貫の糖質量を8gとすれば20貫で160gです。

なんと、1個4gの角砂糖、40個食べたことになります!恐ろしいと思いませんか?

おにぎりは一個で37gです。通常は2個食べる方が多いと思います。2個で74gですから、白米ご飯、茶碗1.3膳分に相当します。

パン

パンは、なかなか曲者で、第34回のブログでも紹介しましたが、特に食パンは食後60分に血糖値のピークを迎え、その後長時間高血糖が持続します。GI (Glycemic Index)は91です。

さらに、上手をいくのがフランスパンです。GI値がなんと93です。

食パン6枚切り1枚(60g)で27g、フランスパン60gで33g、ロールパン30gで14g、クロワッサン45gで19gです。

高GI食品の多いパンの中にあって、クロワッサンはバターでコーテイングされている分GI値は68と低値です。

これをヒントにパンを食べる時はバターを塗って食べてください。血糖上昇を防ぐのに、さらに効果があるのがオリーブオイルです。

いちごジャムやオレンジジャムは是非避けてください。

麺類

麺類には、ラーメン、そば、うどん、パスタとありますが、それぞれ1人前の糖質量を挙げておきます。

ラーメン

  • 醤油ラーメン 60.1g
  • 塩ラーメン 59.1g
  • みそラーメン 65.1g
  • とんこつラーメン 63.9g
  • ちゃんぽん 60.5g

みそラーメンととんこつラーメンの糖質量が他のラーメンより4〜5g多いようです。

そば

  • かけそば 47.3g
  • 山菜そば 47.6g
  • 冷やしそば 44.6g

パスタ

 

  • ミートスパゲティ 86.2g
  • ナポリタン 86.8g
  • 和風きのこパスタ 78.8g
  • カルボナーラ 77.2g
  • ペペロンチーノ 76.3g

パスタの糖質量は麺の絶対量とソースや具の影響を受けます。また、ペペロンチーノやボンゴレビアンコなどのオリーブオイルたっぷりパスタは血糖値の上昇を抑えてくれます。

穀類、種実類

次に、穀類や種実類にいきましょう。

図の通り、じゃがいも、さつまいも、さといも、かぼちゃ、とうもろこし、甘ぐりなどは、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富ですが、一方で摂り過ぎは高血糖をもたらします。

じゃがいも110gで糖質16.1g

カレーライスやシチュー、味噌汁や煮物、フライドポテトやポテトチップスと用途は広く、摂り過ぎに注意が必要です。

さつまいも70gで18.9g

焼きたてのさつまいもは、ホクホクして、甘くて美味しいですよね。また、大学芋にも使われます。

さといも75gで6.9g

味噌汁や煮物に使われます。

かぼちゃ60gで10.3g

天ぷらや煮物に使われることが多いでしょうか。

とうもろこし(ホール缶詰)25gで3.6g

とうもろこしは異性化糖の原料になります。まさに、甘みの元です。

南米では離乳食に使われているとのことですが、乳児が消化しきれず、ひどい下痢を起こし亡くなることがあるようです。

甘グリ15gで3.4g

くりご飯はダブル糖質です。

大豆以外の豆類やこむぎ粉、かたくり粉

食品交換表の表1には他に大豆以外の豆類やこむぎ粉、かたくり粉やコーンフレークが載っています。

(以下、小豆、オートミール、コーンフレーク、こむぎ粉、かたくり粉、パン粉です。)

  • あずき20gで2.5g
  • オートミール10gで6g
  • コーンフレーク10gで8g

コーンフレークの質量の8割が糖質です。

コーンフレークにドライフルーツが入ったものが市販されており、これに牛乳をかけて食べるとかなりの高糖質になります。朝食後血糖値が、いつも300mg/dlを超える患者さんがいて、食事の内容を聞き出したところ、まさにこの食事内容でした。

こむぎ粉

パンや麺類の原料です。卵と混ぜ合わせ、天ぷらを揚げるときに、衣としても使われます。

カレールーの中には、色々なスパイスや肉やじゃがいも、人参、玉ねぎといった野菜の他にこむぎ粉が含まれます。

ハンバーグのつなぎに使われます。

かたくり粉

でんぷんです。中華料理などのとろみとして使われます。

ハンバーグのつなぎに使われます。

パン粉

とんかつ、コロッケなどのフライ類の衣、ハンバーグやミートボールのつなぎに使われます。

果物

次に表2にいきます。

表2はご覧の通り果物です。

食べて甘いですから、明らかに糖質は多いです。

糖質でも果糖が多く含まれることから、摂り過ぎは脂肪肝やAGEsの蓄積による臓器障害が懸念されます。

しかし、一方で、ビタミン、ミネラル、食物繊維、そして、抗酸化作用があるフィトケミカルが豊富です。

ですから、果物はバランスよく摂取することが大事です。

以下に糖質量を示します。

  • りんご30gで4.2g
  • ブドウ10gで7.7g

ブルーベリーは45gで4.3gと糖質量は少なく、ヨーグルトに入れて食べてください。ブルーベリーは抗酸化作用を示すポリフェノールが多く含まれます。

  • なし40gで4.2g
  • バナナ220gで28.2g
  • かき260gで33.8g
  • みかん100gで8.8g
  • もも280gで21.2g
  • いちご50gで3.5g
  • スイカ150gで8.2g

以上、糖質制限のための栄養指導について、特に、高糖質食材や高糖質食品を認識していただくために、糖尿病学会の食品交換表1、2に載っている写真を基にお話ししました。

3.嗜好品(食べ物、飲み物)をチェックする(第53回ブログ)

ここまでは食品交換表を使って、医学的、栄養学的に、患者さんに高糖質食材、高糖質食品を認識してもらうことに重点を置きました。

次に患者さんの嗜好品にまで踏み込んで、是正すべきところは、是正していただくよう指導していきます。

当院では、各食品100gあたりの糖質量が載っている下図を使って、患者さんの嗜好品を拾い上げます。

一般的に、食品100gあたり10g以上の糖質を含むものを「高糖質食品」と言います。

ご覧になってお分かりのように、あめ玉は100gあたり97.5g、ガムは97.6g糖質を含んでおり、無造作に口に入れるべきではありません。

チーズケーキやプリンやゼリーは比較的糖質の含有量は少ないです。

キャラメルもあめ玉ほどではありませんが、100gあたり77.9gと高糖質です。

ピスタチオ、マカダミアナッツなどのナッツ類やプロセスチーズは低糖質で小腹が空いた時にお勧めです。

どら焼き1個で血糖値はどのくらい上がるの?

第42回のブログで取り上げた、やまむら先生のYouTubeサイト『やさしい内科医のY’s TVチャンネル』で普通のどら焼きを食べた時にどのくらい血糖値が上がるかを低糖質どら焼きと比較した実験がありましたので、紹介しましょう。

普通のどら焼き(シャトレーゼ)1個あたり、189Kcal、炭水化物36.7g。低糖質どら焼き(シャトレーゼ糖質86%カット)1個あたり、106Kcal、炭水化物12.7g。エリスリトールを除いた糖質5.3g

ご覧の通り、普通のどら焼きでは食後40分で血糖値はピークとなり181mg/dlとなりました。血糖値は約80mg/dl上昇したことになります。

注目していただきたいのは、食後40分でピークを迎えた血糖値が急激に下降に転じ食後90分で63mg/dl、食後100分で68mg/dlと反応性低血糖を起こしていることです。

まるで高糖質飲料を飲んだ時のような反応を示しました。

やまむら先生に低血糖時、異変は起こっていなかったようですが、第27回のブログでも紹介したように、普通に私たちが食べたり飲んだりしているものの中で、どら焼き(どら焼きは、生地に小麦粉、砂糖を使っており、あんこには、砂糖だけでなく、水飴や蜂蜜を使っております)のように急激に短時間で血糖値を上げ、その反動で低血糖を起こすものがありますので注意が必要です。

血糖値が60代になれば、空腹感、眠気、あくび、イライラ感、倦怠感、頭痛、嘔気、冷や汗等低血糖症状が出ます。

特に、大量飲食の後の長距離運転や危険な作業に就くことは避けるべきです。

血糖値を急激に過度に上げるような糖質の爆食を避けるべきと言うべきでしょうか。

一方、低糖質どら焼きの方は、炭水化物は12.7gでエリスリトールを除いた糖質は5.3gです。

エリスリトールとは度々私のブログに出てきておりますが、天然の甘味料(第24回ブログでは糖アルコールに分類)で血糖値には影響を与えません。

血糖値の上昇はほとんど見られず、食後50分後に血糖値が111mg/dlまで上昇。食前に比べわずか13mg/dlの上昇です。

缶コーヒーや清涼飲料水の糖質量

以下の表をご覧になってください。

缶コーヒーや清涼飲料水の100gあたりの糖質量と1本あたりの糖質量を示しております。

(「牧田善二先生の著書 医者が教える食事術」からお借りしました。)

缶コーヒーの糖質量

まず、缶コーヒー飲料をみてください。

みなさんの中には、もしかして、1日2〜3本飲まれる方がいるかもしれません。

例えば、ジョージアマックスコーヒーを3本飲んだとしましょう。

なんと糖質量は24.5×3=73.5gにもなります。

微糖缶コーヒーでも3本で約25gです。

清涼飲料水の糖質量

次に清涼飲料水の糖質量です。

前日の夕食の時間が遅く食欲がなかったり、睡眠時間確保のため、朝食を摂られない方はいると思います。

でも、朝食を摂らない代わりに、1日の始動のためのエネルギー充填と銘打って、ウイダーinゼリー・エネルギーを飲んでる方、いらっしゃいませんか?

なんと、1本に45gも糖質が入っております。

また、野菜不足と言って、野菜ジュースを摂られている方もいるかもしれません。

これらも1本に14〜15gの糖質が入っております。

また、第29回のブログでも述べましたが、いわゆるスポーツドリンクを水代わりに飲むのはやめましょう。500mlあたり24〜31g糖質が入っております。

水分補給は水か番茶か麦茶が良いと思います。もちろん、煎茶やウーロン茶やブラックコーヒーでも構いません(但し、利尿作用があります)。

挽きたてのブラックコーヒーにはクロロゲン酸が含まれており、抗酸化作用があります。

また、コーヒーには糖尿病予防効果があります。

アルコールの糖質量

醸造酒には糖質が含まれ、ビールには100mlあたり3g、日本酒は1合あたり8gです。

ワインは120mlあたり2g程度です。

赤ワインにはポリフェノールが多く含まれ抗酸化作用が期待できます。

蒸留酒には糖質は含まれておりません。

糖質量とアルコール量を考慮し、節度を持って楽しみたいものです。

4.1日の糖質摂取量をチェックする(スマホ、パソコン活用)(第54回ブログ)

今回は、糖質制限に、さらに興味を持ち、やる気が出てきたひと向けのお話です。

自分が口にするものの糖質量を是非確かめてほしい。

市販されている食品や飲料品には必ず糖質量が示されております。

炭水化物量との表示があればイコール糖質量として構いません。炭水化物を糖質と食物繊維に分けて表示されている場合は、前者をカウントしてください。

仮に、糖質量の表示がなくても、今はスマホやパソコンで簡単に知ることができます。

以下に、食品に含まれる糖質量を示しましたので参考にしてください。

(牧田善二先生の著書「改訂版 糖質量ハンドブック」からお借りしました)

また、大塚製薬の賢者の食卓というサイト(https://www.otsuka.co.jp/kns/calcheck.html)があり、和食、洋食、中華・カレー別に、1食分の糖質量が載っておりますので、是非こちらも参考にしてください。

第29回のブログにも載せましたが、国立健康・栄養研究所の栄養素等摂取量によれば、日本人の炭水化物1日平均摂取量は250gです。

1日の糖質摂取量をチェック

食品100gあたりの糖質量が10gに満たない物は糖質としてカウントしなくて構いません。

まずは、自分の1日当たりの糖質摂取量を把握してはいかがでしょうか。

1日当たりの糖質摂取量を把握し、どこをカットし、最終的にいくらに設定するかを決めてください。

ちなみに、アメリカ糖尿病学会(ADA)での低糖質食は1日当たりの糖質摂取量が130g以内となっております。

糖質カットにより、生活習慣病がコントロールされれば、あとは、さらにもう一歩進むか、現状維持にするかを決めれば良いのです。

次は糖質制限食の実践編です。

5.1日糖質摂取量を決めて実践する(第55回ブログ)

夕食からご飯を抜くことで、生活習慣病のコントロールが達成できれば、あとはそれを継続していただければ良いと思います。

ところが、うまくいかなければ、第51回のブログでも述べたように、いわゆる「おかず」に当たるものに、高糖質なものが含まれていないかチェックする必要があります。

また、素材だけではなく、砂糖や小麦粉での味付けを極力減らし、和食の甘辛いたれ、中華の甘酢あん、とろみのあるものに注意する必要があります。

ソースやサラダドレッシングにも注意します。ドミグラスソースやケチャップはなるべく避けます。マヨネーズは問題ありません。大さじ2杯(30g)でも糖質は1g以下です。

食事の順番も大事で、汁物→野菜→タンパク質→糖質の順番に摂取すれば血糖値の上昇を抑えられます。

食後、ウオーキングを20〜30分程度するだけでも血糖値を下げられます。

点検の末、夕食は完全に糖質オフなのにうまくいかない。この場合はどうしましょうか。

私は、糖質カットを朝食にも適応します。

朝食を食べない方は?

当然、昼食が標的になります。

ある日の私の朝食 糖質量の計算

以前の朝食は、以下のようなものでした。食パン8枚切り1枚とバター。牛乳100mlまたはブルーベリー入りのプレーンヨーグルト100ml。オニオンスープ。ハムエッグにナチュラルチーズ、野菜サラダ。

ハムエッグとチーズ、バター、野菜サラダとサラダにかけるマヨネーズは糖質を無視し糖質総量は35gとなります。

今は、食パンを低糖質ロールふすまパン50g(糖質2.3g)、牛乳を豆乳(糖質2g)に変えており、糖質総量は14.3gです。

 

 

弁当

昼は、奥様の弁当持参の方は、今までの私のブログを参考にしていただければ、糖質量の把握は簡単だと思います。

下は、ある日の私の弁当です。

1例目の糖質量を計算してみましょう。

ご飯は半膳で27.5g。鮭の塩焼き、ハム、トマト、豆苗は糖質無視。卵焼きも砂糖がさほど入ってなければ糖質無視。ポテトサラダは70gで糖質13gとのことですから、多く見積もって5g。

合計32.5gとなります。

2例目の糖質量を計算してみましょう。

ご飯は1/6膳で9.2g。鮭の塩焼き、トマト、ソーセージ、唐揚げ、野菜は糖質無視。たらこ入り卵焼きも砂糖がさほど入ってなければ糖質無視。

糖質はご飯だけで、合計9.2gとなります。

昼食時、スタッフにお茶を出してもらい、食後ブラックコーヒーを飲みます。

私はこれで十分ですが、足りない人は、魚やハムやソーセージ、卵焼きや唐揚げや野菜の量を増やして頂き、さらに焼き豆腐やチーズや枝豆等を加えていただくのも良いでしょう。

第29回のブログで日本人の炭水化物1日平均摂取量が250gだと述べました。

また、アメリカ糖尿病学会(ADA)での低糖質食の定義は1日130g以内です。

私は夕食を含め、1日100g以内を目指しております。

以下を、賢い糖質制限の実践のために参考にしてください。

コンビニ、スーパー

今は、コンビニやスーパーで食事を工面する場合、食品に糖質量が記載されていますから把握しやすいでしょう。

おにぎり

おにぎりは37(普通サイズ)〜50(大)gです。

納豆巻き 

納豆巻き 1本34g

カップ麺、インスタントラーメン

カップ麺は42g

インスタントラーメンは1食(100g)あたり60g

幕の内弁当

セブンイレブンは炭水化物を糖質と食物繊維に分けて表示していますが、ローソンは炭水化物の表示のみです。

ローソンの糖質表示は裏面にあります。写真では表に貼り付けています。

コンビニの幕内弁当の炭水化物は77g程度です。

低糖質食品

コンビニでは、低糖質食品が一体となって豊富に置かれてます。ゆで卵(糖質0.2g)、卵焼き(糖質7.7g)、唐揚げ(100gあたり8g)、ホッケの塩焼き(糖質1.4g)、チョリソー(1本あたり糖質1.5g)、豚しゃぶサラダ(糖質11.7g)、サラダチキン(110gあたり糖質量2.1g)、おでん(8種類の具が入っていて糖質は15g)などです。

 

以下は、ある日のコンビニで工面した私の昼食です。

  • ごまポン酢の豚しゃぶサラダ 糖質11.7g
  • だし香る手焼きの厚焼き玉子 糖質6.6g
  • ひきわり納豆巻き 糖質33.8g

合計 糖質 52.1gです。

やはり、納豆巻きは糖質量が多いですね。でも、この日は大豆食品を摂ることを優先しました。

外食

ラーメン、うどん、そば、パスタ、丼物、カレーライスといったものは、単品で食べることが多いと思いますが、いずれも高糖質で工夫が必要です。

もちろん、ラーメン、うどん、そばに、ライスやおにぎり、餃子、チャーハン、いも天、稲荷寿司を追加するようなダブル糖質やトリプル糖質摂取は絶対避けるべきです。

特に、その後長距離運転をする場合や集中して仕事をする場合には、反応性低血糖により、過度な睡魔に襲われ事故につながったり、仕事の効率が著しく低下します。

麺類を食べるときは、必ず具沢山にしてください。ラーメンであれば、野菜たっぷりで、チャーシューや煮卵も入れます。

パスタは和風パスタは避け、オリーブオイルたっぷりのペペロンチーノやボンゴレビアンコにしましょう。血糖の上昇を抑えられます。

丼物やカレーライスの場合は、米飯を少なくするか、米飯を豆腐に変えたもの(吉野家の牛丼ライト)にするのも良いと思います。

現実的にこれらの工夫が難しいのであれば、今回限りとし、次回の食事から再び低糖質に戻すことを強く決意してください。

吉野家の牛丼ライト

ご飯の代わりに豆腐を使用しヘルシー牛丼を実現。ゆずポン酢がかかっています。食べるとわかるこの相性!とのこと。

かけうどん、かけそばで血糖値はどの位上がるのだろうか?

第42回のブログで取り上げた、やまむら先生のYouTubeサイト『やさしい内科医のY’s TVチャンネル』で丸亀製麺の冷やしぶっかけうどん、富士そばのざるそばを食べて、それぞれ血糖値がどのくらい上がるかの実験をしておりますので紹介します。

うどんの方は、丸亀製麺のうどん弁当から天ぷらのかき揚げ、ちくわの磯辺揚げ、卵焼き、きんぴらを除き、ネギだけのかけうどんとして食べました。

1食305Kcal 炭水化物63.8g

そばの方は1食275Kcal 炭水化物54.0g

うどんもそばも血糖値は食後急上昇し50分でピークを迎え、それぞれ食前に比べ90mg/dl、100mg/dl上昇しました。

うどんやそばは、ヘルシーなイメージがありますが、いずれも小麦粉や蕎麦粉から出来ており炭水化物そのものです。

血糖値の上昇を和らげるためには、具沢山やベジファースト(野菜を先に食べる)にするのが良いと思います。

GI値で見ればうどんが85、そばが55ということでしたが、実際食べてみるとそばの血糖上昇がうどんを上まったことに驚きました。

定食屋

魚定食には、刺身、焼き魚、煮魚定食がありますが、糖質を少なくするには刺身、焼き魚定食が良いと思います。煮魚定食は、どうしても味付けに砂糖やみりんを使います。

肉定食には、焼肉定食、唐揚げ定食、肉野菜炒め定食があります。焼肉は甘だれよりも塩味が良いと思います。唐揚げの衣は気にしなくて良いでしょう。

いずれも、ご飯を減らしたり、抜くことで、物足りなければ、おひたしやサラダや豆腐のおかずを追加してください。

ファミレス

セットメニューに含まれるご飯やパンやスープには糖質を多く含むため、単品で頼みましょう。メインはステーキやハンバーグにします。ステーキは塩胡椒で食べます。ハンバーグのソースは低糖質のものを使い、デミグラスソースやホワイトソースは敬遠します。私は、メインが来る前に、たっぷりの野菜サラダやシーフードサラダを頼みます。ハンバーグにはつなぎに、小麦粉や片栗粉が使われますが糖質量としては多くありません。ステーキやハンバーグに付いてくるフライドポテトやコーンは食べません。

また、ファミレスではありませんが、「いきなりステーキ」的なお店を利用するのも良いでしょう。野菜もたっぷり食べますが、フライドポテトやコーンは食べません。

ファストフード

ハンバーガー、フライドポテト、コーラのハンバーガーセットは絶対頼みません。

頼むとすれば、ハンバーガー(糖質は30g)とブラックコーヒーです。物足りなければ、フライドチキンやチキンナゲットを追加します。

居酒屋

今は、コロナの蔓延で、居酒屋に行くことは憚れますが、実は、居酒屋のメニューを見ると、糖質の少ないものが多いことに気づきます。

タコワサ、刺身、焼き魚、唐揚げ、シーフードサラダ、卵焼き、焼き鳥(塩)、あさりの酒蒸し、枝豆、冷奴といった具合です。

締めのおにぎりやお茶漬け、麺類はやめて、ビールや日本酒といった糖質の含まれる醸造酒をほどほどにすれば良いのです。

鍋料理

寒い時期に限らず、魚介類や肉類、野菜やきのこ、豆腐といった栄養たっぷりの具材を入れて、しかも低糖質です。

でも、締めの雑炊や麺は食べません。

また、出汁を昆布や素材でとったものならば良いのですが、鍋用の市販の出汁やキムチの素には糖質が含まれますので、スープの飲み過ぎのないよう注意しましょう。

しゃぶしゃぶも良いと思います。

すき焼きの場合、割り下に砂糖が多く含まれるため、あまり好ましくありません。しかし、ラカントSを使った割り下もあるようなので活用してみてください。

自宅での低糖質メニュー

生活習慣病を克服し、健康で長生きするために、自宅で低糖質食を実現するにはどうすれば良いのでしょうか?

何も難しいことはありません。

今まで、私のブログを読んでいただいた方なら、即座に実行できると思います。

すなわち、単に糖質を制限するというわけではなく、肉や魚、卵、チーズ、大豆といった良質なタンパク質や脂肪を十分摂り、さらには葉物野菜や海藻類、きのこ類からビタミン、ミネラル、食物繊維をしっかり摂ることです。

いくつか、紹介しましょう。

鱈の酒蒸しにたっぷり野菜。しいたけ焼きに鯨の竜田揚げ。ニラの卵とじ

竜田揚げの衣やニラの卵とじの味付けの砂糖やニンジン、かまぼこに多少糖質は含まれます

鶏肉とキノコのソテーとたっぷり野菜。つぶ貝の塩茹で

豚肉のソテーにキノコとピーマン添え。ニラの卵とじ

タコの刺身、アサツキ、シソと海藻 鶏の唐揚げとキャベツ

タコは山葵醬油で食べました。アサツキは酢味噌で食べるのが美味しいようですが、酢味噌の半分が糖質なのでパスしました。

鶏の唐揚げとキャベツは(ソースや醤油など)何もかけずに食べました。

我が家のカレーライス

ご覧の通り鶏の胸肉とアスパラが入っております。

ご飯は少々。

ただ、ホタテ以外のじゃがいも(1/3個=37g)、にんじん(10g)、玉ねぎ(1/2個=100g)、カレールーにそこそこ糖質が含まれます。(ジャガイモ110gで糖質16.1g、ニンジン30gで糖質1.9g、玉ねぎ200gで糖質13.5g)

糖質量を計算してみましょう。

鶏の胸肉とアスパラとホタテの糖質は無視。

16.1×1/3+1.9×1/3+13.5×1/2+多少のご飯とカレールーの分も入れ多く見積もっても20g

小樽ダイニングから取り寄せた低糖質スープカレー250g(糖質7.7g)

鶏肉とオクラ、ぶなしめじ、ごぼう、にんじん、ブロッコリー、キャベツの6種類の野菜が入った糖質制限スープカレーです。

辛党の私にとっては辛味がもう少し欲しいところでしたが美味しいと思いました。

本来、カレーにはジャガイモ、ニンジンなどの高糖質の穀類やカレールー自体に小麦粉が含まれていることから糖質制限を行っている方には敬遠されがちですが、1食7.7gの糖質であれば許容範囲だと思われます。

魚食品

魚は刺身や塩焼きにして、自宅での低糖質メニューの中心、すなわち主食として食べてください。

また、缶詰は安価でDHAEPAといった体に必要なω3系脂肪酸を効率よく摂ることができます。これらの必須脂肪酸は缶詰の汁にたくさん含まれておりますので、捨てないで身と一緒に食べてください。

大豆食品

夕食に限らず、朝食あるいは昼食としてしっかり摂りたいですね。

冷奴や枝豆を酒の肴にするのも良いと思います。糖質ゼロビールに最高です!

 

脂肪酸摂取の注意点(第21回ブログでも取り挙げています)

必須脂肪酸

脂肪酸の中には体内で合成できないものがあり、それらは食事から摂らなければなりません。これら必須脂肪酸は図の通りですが、注意すべき点があります。

(※図は江部先生の『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』から出典)

n-6(オメガ6)系脂肪酸はリノール酸やアラキドン酸といった油でサラダ油、コーン油、大豆油等植物性の油に多く含まれ、以前は動物性の油に比べ体に良いとされてきました。

しかし、揚げ物や加工食品からのn-6(オメガ6)系脂肪酸の摂りすぎは、動脈硬化やアレルギー性疾患をもたらすため注意が必要です。

一方、n-3(オメガ3)系脂肪酸には、調理油などに含まれるα—リノレン酸、所謂青み魚に多く含まれるEPAやDHAがあり、中性脂肪の低下や抗凝固作用があります。

順天堂大学の平澤先生によれば、日本人の魚油の摂取は1970年代からは増加傾向にあるものの、n-6(オメガ6)系脂肪酸の摂りすぎによるアンバランスで脳梗塞や心筋梗塞が増えたとのことです。

以前のブログで紹介した「ケトン食ががんを消す」の著者である古川先生が行っている免疫栄養ケトン食では、化学療法の効果を上げるため魚油からだけでは摂りきれないEPA(1日摂取量4g目標)を亜麻仁油(10%がEPAに変わる)からも摂るようにしています。

地中海食に欠かせないn-9(オメガ9)系脂肪酸であるオリーブオイルは必須脂肪酸ではありませんが、加熱しても変性せず、体重減少効果、糖尿病予防効果、脂質改善効果、心臓病や脳卒中の予防効果などが知られており、積極的に摂っていただきたい油です。

アルコールの糖質量(第53回ブログでも取り挙げています)

醸造酒には糖質が含まれ、ビールには100mlあたり3g、日本酒は1合あたり8gです。

ワインは120mlあたり2g程度です。

赤ワインにはポリフェノールが多く含まれ抗酸化作用が期待できます。

蒸留酒には糖質は含まれておりません。

糖質量とアルコール量を考慮し、節度を持って楽しみたいものです。

小腹が空いた時のナッツとチーズ

小腹が空いた時は、ミックスナッツとチーズを摂リましょう。

ミックスナッツは30粒で6g。ビタミンや食物繊維が豊富で地中海食に含まれます。ナッツは死亡率や脂質の低下をもたらし、オリーブオイルと併用すれば血管病の減少に繋がります。ナッツに含まれるビタミンB群やEは抗AGEs作用があります。

甘みが欲しければ、抗酸化作用が強いカカオ濃度70%以上のチョコレートがお勧めです。2枚で糖質4gです。

肉をたくさん食べても大丈夫?

脳心血管疾患の懸念

今でも、「肉の脂は体に悪い」という誤解があります。

肉の脂には飽和脂肪酸(バターやラード等常温で固まりやすい脂)が含まれていて、その摂り過ぎは、脳心血管疾患を増やすと信じられてきました。

ところが、2010年、アメリカの栄養学雑誌「American Journal of Clinical Nutrition」で、「飽和脂肪酸摂取と脳心血管疾患の発症率に関連がない」と発表されました。

35万人を5〜23年間追跡した「メタ解析」という手法を用いました。

また、2013年に「European Heart Journal」で8万2千人を対象とし、11年間調査した結果では、「脳卒中」の発症リスクは、飽和脂肪酸を最もたくさん摂取するグループで一番低く、飽和脂肪酸の摂取量が一番少ないグループより23%低かったとのことです。

第33回のブログで、「炭水化物、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、および総脂肪量について、それをどれだけ摂取しているかということと死亡率の関係を調べた」2017年の「LANCET」に載った「PURE STUDY」を紹介しました。

5大陸18か国、13万5千人を対象とした10年間の調査で、結果は「人種を問わず、人間にとって炭水化物の摂り過ぎは命を縮め、脂肪を摂ることで長生きする」というものでした。

肉に含まれているのは飽和脂肪酸だけではありません。半分は一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。オレイン酸はオリーブオイルの主成分であり、体重減少、糖尿病、脳卒中、心臓病の予防効果が報告されています。

大腸がんの懸念

糖質制限をするとその分、たんぱく質と脂質摂取量が増えることになり、特に「肉を食べ過ぎると大腸がんになる」と言われます。

2011年国立がん研究センターが発表した研究では「赤肉」(赤肉とは鶏肉以外の肉)の摂取が1日80g以上では、女性の大腸がんのリスクが上がり、「加工肉」を含めた肉類全体の摂取量が1日100g以上では、男性の大腸がんのリスクが高くなると報告されました。

また、WHO(世界保健機関)の専門組織である国際がん研究機関から、「加工肉摂取には大腸がんのリスクがあり、毎日50g摂取するごとに18%リスクが増えるという報告がなされました。

高雄病院の江部先生は、「塩分が多く化学防腐剤が入った加工肉を避けるのは賛成だが、糖質制限をしていれば、赤肉の摂取についてそれほど神経質に制限しなくても良い」と述べています。

どうしても気になるようであれば、1日当たりの赤肉を100g以内に抑え、あとは鶏肉や魚介類、大豆からたんぱく質と脂質を摂れば良いのです。

糖質とがんの発症

がんには「生活習慣病型」と「感染症型」があります。

生活習慣病型のがんは食生活や喫煙、飲酒によってもたらされるもので、肺がん、大腸がん、乳がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、子宮体がん、胆嚢がんがあります。

感染症型のがんは細菌やウイルスの感染によるもので、ヘリコバクター・ピロリ菌が関わる胃がん、B型、C型肝炎ウイルスによる肝臓がん、ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんがあります。

がんの発症は複雑ですが、根本的な原因は酸化ストレスにより正常な細胞の遺伝子が傷つき、ミスコピーを誘発して起こると言われています。

酸化ストレスは食後高血糖やそれに伴うインスリンスパイクによって起こります。

国際糖尿病連合は、「食後高血糖は発がんに関与している」と結論付けておりますし、2006年、日本の国立がん研究センターでは「糖尿病があると、健常人に比べてすべてのがんのリスクが20〜30%高くなる」と発表しております。

がんのエネルギー源はブドウ糖であり、血糖値上昇により分泌されたインスリンは正常細胞とともにがんの成長因子として働き、高血糖が持続することによる糖化反応によって出来たAGEsはがんの転移に関わると言われます。

糖質制限食の意義

以上、当院で行っている糖質制限食について述べてきました。

糖質制限食は糖尿病をはじめとした生活習慣病を克服するための基本になりますが、何も特別な食事療法ではありません。

狩猟、漁労、採集生活を送っていた遠い私たちの先祖の食事内容に戻るだけなのです。

ところが、ある時、私たちの先祖は米や小麦といった穀物に出会い、大量栽培することに成功しました。

それによって定住化が進み、人口が増え、大脳の発達とともに文明を生み出したのは事実です。

私たちは穀物を大量栽培し、食糧を思うままに支配してきたつもりでしたが、実は、穀物は糖質を武器に、ヒトを糖質の罠にはめ、ヒトを支配してきたのです。

私たちの生きる時代はまさに飽食の時代です。

飽食の主体をなすものは糖質であり私たちを糖質中毒に貶めました。

本来、私たちに組み込まれたDNAにそぐわない糖質を過剰に摂ることによって予備軍を含めた糖尿病患者は今や中高年の4〜5人に1人と言われており、高血圧症や脂質異常症、脂肪肝を含めるとその頻度が格段に上がることは想像に難くないでしょう。

糖尿病をはじめとした生活習慣病は、老化を早め病を起こし今や生活習慣病関連疾患の医療費は莫大なものになっています。

血糖値を高めるのは明らかに糖質であるにもかかわらず日本糖尿病学会は糖質制限を長期的な食事療法として遵守性や安全性が担保されないとして否定しております。

糖質過剰摂取を続けることで膵臓が疲弊し糖質を摂ったことにより高血糖から逆に反応性低血糖を引き起こし私たちのパフォーマンスを損ねているとしたら由々しき問題です。

今や私たちは節度と勇気を持ってモルヒネにも似たこの難敵、糖質に立ち向かわねばなりません。

その術が、糖質制限食なのです!